スキゾイド雑記帳

人間害悪・人間リスクについての考察。個の尊重される社会とは。

患者はそこにいた

別館『スキゾイドパーソナリティ障害の生存競争』も更新中です。 http://schizoid.hatenablog.jp/


 

「私の労働現場は日本の劣悪かつ法外な行為が横行する労働社会の中ではかなりマシな方でしょう。もうね、行き交う誰もが口をそろえて羨ましいとか贅沢だとか言うんですよ。」

なるほど。比較的マシな方なのですね。どんな言葉で羨ましがられるのですか?

「サービス産業がないとか、残業が少ないとか、土日が休みとか、そんなもんです」

え…それって当たり前のことなんですけどねえ。

「ホントですよ。それにサービス残業がないっていっても、普通に接待や出張があるので、実質無賃で働かされている時間もあるんです。それを言っても、ノルマがないだけ幸せだとか、わけわかんないこと言われてオシマイっすよ」

総合職でしょうか。

「企業でいう総合職です。転勤はありませんが、いわゆる接待出張みたいなもので長期間地方や海外に行くこともあります。避けられません」

一般職みたいなものはないんですか。

「昔は男女でわかれていて、男性は総合職・女性は一般職だったらしいです。女性は結婚してやめる前提で仕事が振られていました。今は男女平等になりましたが、出張や海外などは男性にばかり回ってきます。」

うわあ…それはちょっと露骨ですね。

「服装も女性だけが自由で男性はスーツにネクタイですよ。最悪です」

今日のご相談は何でしたっけ?

「実は私の隣の部署が3名も鬱休職者を出して、その補填のために各部署の若手が動員されているんですよ。しかも、部門長や事務長クラスの人間が直接管理する組織で、各部署ごとの管理職は無関心、中間管理職が実質支配する奇妙な形態です」

業務は具体的に割り振られているのですか?

「いえ。その場で決める感じです。しかも無作為に各部から選抜されて、今の部署の仕事にプラスアルファで業務を課されるんですよ。それでいて報酬も一切なし。打ち合わせで残業することも増えました。」

部署の人はどんな反応ですか?

「当然知らん顔ですよ。あいつら口だけお疲れさまとか言ってますが、実際はざまあみろって思ってます。会議担当もなぜか女性は男性に一部を負担させているのに、逆は一切なしです。」

古い会社なんですね。ホワイトに見えても、社員の心の方がむしろブラック化しているというか、そんな感じなんでしょうか。

「そうですね。もう今年で辞めたいんですよ」

また突然、この他にどうかされたんですか?

「実は30歳を過ぎると一気に接待旅行や研修で長期出張や海外出張が増えてくるらしいんです。しかも拒否できない。男性だけです。ありえないでしょう。まだ30歳になるまでには時間がありますが、例によって欠員が出ているので、若手に押し付けようという上層部の狙いがあります」

困りましたね…次の労働のあてはあるんですか。

「正規労働にこだわらなければ比較的マシな時給で働くことのできる資格は持っています。それに子供も持つこともないでしょうから、土地や家など先代の財産を売却したりすれば、今の貯金と合わせて、なんとか死ぬまで生活できるんじゃないですかね。うーん。それは微妙かもしれない。まあ、ダメになったらその時は死ぬときじゃないですかね。少なくともこんなバカげた仕事に人生の大半を費やすとか論外ですし、低所得でも毎日負担のない人生を過ごせた方が私は幸せだと思います。」

なるほど。ただ今の組織はまあまあ給料も安定しているとのことですから、そこが勿体ないですね。負荷が大きくなることはもう来年度以降決定なのですか?

「まだわかりません。ただ、やりがいがあるという名目でこういう他人の尻拭い業務を押し付けられていますから、この流れでブラック部署への移動があったり出張や接待が増えることもあるでしょう。むしろそういう配属になったら休職しやすくなったりして」

それもいいんじゃないでしょうか。3年休職すれば30代にかかりますよね。そこで戦力外になってしまえば、多分もう干されるんじゃないですか?

「そう簡単に行きますかね。既存の管理職は守っても、若手なんて使い捨て要因だから即解雇すると思いますよ。その辺は労基法との関係でどうなるかわかりませんけどね」

とりあえずダメそうなら休職、その後のことについては貯金や以降の人生設計と相談ってことで今はいいんじゃないでしょうか。

「ですね。はぁ…一体何なんだろう。私の労働なんて社会の富を蝕んでいるだけですよ。仕事のための仕事。仕事を作るとか言ってるやつ、殺したいくらい憎いですよ。富を吸い上げて逆進芸を繰り返す搾取行動、これを慈善とか社会貢献なんて思っているんですから、反吐が出ます。」

お疲れさまでした。とりあえず今日はこのまま直帰してゆっくりお休みください。来週から、週1で面談を行うので、できるだけ普段思ったことや感じたことを記録しておくようにしてくださいね。それでは、お大事に。