スキゾイド雑記帳

人間害悪・人間リスクについての考察

おじいさんが泣いていた

別館『スキゾイドパーソナリティ障害の生存競争』も更新中です。 http://schizoid.hatenablog.jp/


前例踏襲を武器に現代人を徹底的に叩く老人がいた。その老人からしてみたら、今の若者は消極的過ぎて理屈っぽいとのことだった。私のように消極的な若者は、単純に気に入らないだけじゃなくて「みんなと違う」「みんなそうやって大人になっていくのに」「なんで普通にできないのか」という言葉を浴びせたくなるような対象らしい。

そこで、問いかけてみた。

「私は多分おかしいと思うし、あなたの言う通り、みんなと違う。ところで、どうして今までと違ったりみんなと違う人間は変だったり、だめだと思うのか。時代は刻々と変化し、たとえばあなたの幼少期は戦争時代だっただろうけど、今は戦争はしていない。以前にしていたことが間違っていて、時代の変化によって常識も変わっていく。」と。

老人は言った。

「そうだ。私たちは幼少期に信じていた正解を否定されたのだ。それが間違いだった。今までの人生が間違いだったと、屈辱を味わうほどに思い知らされた。だから、その後は、高度成長や一億中流時代を迎え、ただ一つの正解や標準を追いかけて否定されないように頑張った。確かに世の中は変わり、パソコンなんて言うわけのわからんものも出てきた。働き方も変わった。でもな、せっかくここまで私たちの人生が標準であり手本だったのだ。ここで、またガキの頃みたいに、自分自身を不正解だと認めるのは、耐えきれん…」

号泣する老人の横で、私はただひたすら黙っていた。