スキゾイド雑記帳

人間害悪・人間リスクについての考察

否定の仕事、はじめませんか?

別館『スキゾイドパーソナリティ障害の生存競争』も更新中です。 http://schizoid.hatenablog.jp/


遠い未来の架空の話

職を探してハローワークに出向く失業者が都会に目立つ。

「否定のお仕事、してみませんか」

こんな広告が壁を独占している。

どんな仕事なのだろう。

不思議に思い、中に入ってみた。

詳細を聞いてみると、こうだった。

「簡単なお仕事ですよ。世の中のあらゆるものを批判したり、否定したりするのです。誹謗中傷でも構いません。世の中の人々がストレスを発散できるような内容であれば、どんなものでもいいので、積極的にチャレンジしてみてください。」

ストレスの発散を目的とするコンテンツを作成する補助業務のようなものだろうか。

あれ…?ストレスの発散を目的としているといわれるも、否定の対象となった事物にとっては単なる苦痛ではないだろうか。

係員は続けた。

「当然そうなります。ただ、批判されたり否定されるのは、あくまでも労働時間中だけなので、休日は逆にその人達が何かの批判をしてストレスを解消する側になるので、問題はありません。」

問題はありませんの意味が理解できない。つまり、加害者と被害者の無限トレードだ。被害者の苦痛は加害者として発散することでしか解消できないということだろうか。

だとしたら、両方滅びてすべての感情が失われる方が遥かに良いのではないだろうか。

そんなことを意思表示すれば、真っ先に批判の対象だ。

青ざめて、ハローワークを後にした。

街行く人々は、今日も仲間だの成長だの絆だの、夢を語っていた。

裏に蔓延する陰口や黒い人間の心は、見えないものとして封印されていた。

まるで、肯定が否定によって生み出されているような感覚だ。

この時代に、私は生きているのだろうか。

自分に対しても他人に対しても、人間は常に否定をしてしまう生き物なのだろうか。あらゆる肯定の機会が無数の否定に埋め尽くされる。

もはや否定は職業だ。技能だ。

この時代に、私は生きているのだろうか。