スキゾイド雑記帳

人間害悪・人間リスクについての考察。個の尊重される社会とは。

数を減らす本能

少子化が進んでいて若者が世帯や子供を持たないことが批判されているが、そもそも子孫繁栄の価値が普遍的なものなのかというのが疑問だ。子孫繁栄は動物の本能だといわれるが、こうした不幸な社会の中では生まれないことこそが真の幸福であることも考えられる。わが子を守るために、わが子をこの社会に放出しない…そんな防衛本能が働くことにより、子供という存在を認識しながらも意図的にそれを社会へ放出しない、社会に招致しないという選択を取ることも、十分に本能であるように思える。

これまでの歴史の中で、子孫繁栄ではなく、個体数を減らすことを本能行動としていた生物はいないだろうか。生物学の知識が全くないのでその存在の有無は判断できな いが、もしかしたら、絶滅に瀕した生物の中にはそのような「減らす本能」を有していたものもあったのではないかと考えてしまう。無数の生命が存在するこの世で、例外がないとは言い難い。

外国人労働者の搾取が問題になっている。人権週間に次々と問題が露呈しているのが失笑ものでもあるが、こんな国が子供を増やせと言っているのだから笑える。老人の権利、老人のロマンを守るための時代錯誤な社会の存続のために若者が酷使されている。田舎を守るため、権利を守るため、年金を守るため、若者の労働力が必要だと主張する世論、資本家や経営者のピンハネ・低賃金雇用には誰も文句を言わない。そういう国なのだろう。

どんどん貧乏になっていく国で、子供を増 やせばいいという人間が恐ろしい。生まれた瞬間だけ歓迎し、その後はすべて自己責任。富の絶対数が減り、ピラミッドはどんどん鋭い形になり、持たざる者だけが増えていく。転落すれば自己責任、経営者の搾取はどこまでも許容し、若者の努力不足だと罵る。こんな人生を生きるために何人もの生命が生産されている。まるで奴隷工場だ。

今、幸福な人生を送っている人こそ、注意した方がいいだろう。幸福なのは単に運が良かっただけで、同じ境遇を子孫が歩めると思ったらそれは甘い。現に私は幸福度の高い生活をしているが、子供を持とうと思ったことは一度もない。騙されてはいけない。今後の人間に待ち受けているのは嘘と偽善と全体主義によるお芝居でしかない。